パキスタン駆け足紀行１７
いよいよ今日は
パキスタン、中国の国境、クンジュラブ峠へ登ります。
この峠、峠といっても標高は、４７３３ｍもあり、
富士山の頂上よりまだ、１０００ｍも高い所にあります。
この峠をシルクロードは越えていたとは、スゴイと思いませんか？
車は グルミット村を出るとすぐに、
シスパーレ峰などの７０００ｍを越す、カラコルムの高峰群から
流れ下る氷河の雪解け水を、ゴーゴーと流すクリークを
危なげな木の橋を渡って、進みます。
途中、数箇所で氷河を望む場所で、車を止めて休憩。
小高い川岸を登ると、そこは氷河の作った
サイドモレーンの上で、すぐ脇を茶色い岩や砂をかぶった
氷河が流れています。
先は、まだまだ長い、あと100キロ先です。
車は、狭くなった谷の中を進みますが、
徐々に高度を上げているのが判ります。
突然、谷が広がると、そこは
フンザの最奥の村、スストに到着です。
スストから先には、
もう、人の住む村はありません。
ここで、昼食です。
昼だというのに、まわりの山々があまりに高いので、
十分な日光が届かないようで、日陰の多い村というのが
第一の印象です。
スストを出ると、いよいよ車は、峠を目指して
急になった道を、ズンズンと登って行きます。
もう、ここは、富士山の頂上と同じくらいです。
あたりはすっかり、岩と雪の世界です。
目を凝らして、山肌を見れば、
高山にのみ住む、野生の山羊の一種、アイベッスの群れを
見ることが出来ます。
九十九折の急な道を高みを目指して、
ウンウン排気の音を響かせ、昇り続け
とうとう、車はいつしか
群青色の空の広がる、峠へ到着しました。
周りの風景は、
雪と氷と真っ青な空ばかり。
これから先は、中国の西域、ウイグル自治区です。
カシュガルまで４００キロ。
早速、周辺の散策です。
ドライバーさんからは、ゆっくりゆっくりと歩くように
注意を受けて、さあ、４７００メートルの散歩です。
空気が薄いことも、実感できる高さです。
中パ国境といっても、何もなく、
ただポツンと標識が立っているだけ。
中国側へ目をやると、ぼうぼうと遥か、かなたまで
山、また山の景色です。
空気の薄いこんな場所では、そうそう、ながいは出来ません。
３０分ほどの滞在で、その後は
麓まで一気に駆け下ります。
だいぶ下った川原で大休止。
もう、すでに高山病の兆候は現れて、
同行者３人は、頭痛がするとグッタリしています。
気温の高くなった午後は、落石が頻発するので、
またまた、慌しく出発です。
朝出てきたグルミット村へは、夕方帰着となりました。
とても感動した一日。
中国を東からでなく、西の端から眺めた最初の経験と
なった私にとっては、貴重な一日となりました。
写真は、クンジュラブ峠への途中、
谷の奥に中パ国境の山々を望む
「さみんの雑記帳」2006年01月21日
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