パキスタン駆け足紀行２２
フンザ滞在３日目
今日は、グルミット村から、ここより一段高いところにある
グルキン村を経て、グルキン氷河を横断する
氷河トレッキングの一日です。
日課の早朝村内散歩を終え、元気一杯
朝食を食べ、出発！
グルキン村までは、いつものヨタ車で送迎。
一気に、ものすごい坂道をウンウンと
エンジンを鳴らして登っていきます。
グルキン村は、フンザの中でも、
一段高い場所、山の中腹に開けた集落で、
谷底の村と違い、空が大きく広がる、明るい村でした。
標高が高いせいか、谷底の村ではすでに、
終わっていたリンゴやアンズの花も、
ここでは、見事に満開でした。
村の中心で車を捨て、背後の小高い丘を目掛けて
村の中を歩きます。
小さなモスクの横を抜け、これまた小さな学校の脇を通り、
人家の密集する路地を抜けて、集落の外れまで、
村人に挨拶を交わし、元気な子供達とすれ違い、
丘の麓まで、楽しいハイキングです。
さあ、丘のてっぺんまで、大岩のゴロゴロと転がる
斜面を急登します。
高度のせいか、すぐそこに見上げるてっぺんまでが、
やけに息が切れてしまいます。
登りきったところが、チョットびっくり。
ここがすでに、氷河のモレーンでした。
え～と、モレーンとは、氷河が長い年月を懸けて
流れ下るときに運んだ、石や土砂が堆積して出来る、
丘です。
この丘を反対側に下れば、そこは氷河の上です。
グルキン氷河は、このあたりでは、
規模としては小さな氷河でが、いざ眺めると対岸までは
結構距離がありました。
さて、1歩を踏み出します。もう、すでに
氷河歩きが始まっています。
氷河の上は、思いのほか起伏にとんでいて、
小山のような氷の塊や氷柱が突き出しています。
長い年月の間に堆積した、砂や土、岩などで
茶色く汚れていますが、随所でクレバス（氷河の割れ目）が
現れて、その中を覗けば、吸い込まれそうな青い氷が
氷河の上にいることを実感させてくれます。
それらを、慎重に迂回しながら、
登ったり、下ったりを繰り返し、
対岸までが長く感じる頃に、ようよう向こう岸に
たどりつきました。
ところが、また、これから、モレーンの急登が
待っています。
息をヒーヒー言わせながら、登りきると、そこは
大展望が待っていました。
谷の向こうに、スパンピークやシスパーレ峰などの
７０００ｍを超える山々の連なりが一望です。
大岩の上に腰をおろし、ひとしきりの休息です。
そう、もう動きたくない、そんな気分です。
でも、ガイドの親父は無情です。
そうそうは、休ませてくれません、（ケチ！）
麓まで一気に駆け下ると、そこにお迎えの
ヨタ車が、待ちくだびれたように
お出迎えです。
ああ、楽しかった氷河ハイキングの半日です。
ロッジに戻り、遅めの昼食を取ったら、
フンザの中心、カリマバードと藩王の居城、
バルティット・フォートの見学です。
今日も、長い一日になりそうです。
写真はグルキン村を氷河のモレーンの上から
俯瞰したところです。
「さみんの雑記帳」2006年01月25日
＞さみんの旅行日記 目次へ戻る
|
