パキスタン駆け足紀行２７
今日はまた、カリマバードの対岸に
深く切れ込んだ谷の奥深くに広がる、
その昔は、ここカリマバードの村と長く対立していた
小王国、ナガール村とすぐそばに流れる大氷河へ
トレッキングです。
天気がこちらへきて、はじめて、
芳しくありません。
いつも青空が広がっていましたが、今日は
どんよりと曇っています。
そればかりか、ポツポツと降っているようです。
晴れれば、暑いくらいの陽気になりますが、
こんな日は、肌寒く、防寒兼用の雨具は必携です。
カリマバードからは、フンザ川を橋で対岸へ渡りますが、
道が細くなるので、ここからは小型のジープで
向かいます。
谷底へ転がり落ちそうな悪路を、谷奥の
ナガール王国へジープはガタガタと進みます。
ほんとにこの奥に村があるの？
チョっと心配になってくるころ、
谷がパッと開け、人家が出てきます。
道の周りも畑が広がり、小さな学校やモスク
旧王宮跡の建物などが現れて、いかにも
古くから開けた土地と感じれるたたずまいです。
しばらく、そんな畑と人家の間を進むと、
ひときわ、人家の密集した場所が
このナガール村の中心です。
そこには、トレッカーや登山者を泊める安宿なども
散見し、多少賑やかになっています。
車を降りて、そんな安宿の一軒でお茶の休憩。
そこらにたむろしていた、子供や大人も
物珍しげにジロジロ、我々を見ています。
お茶を飲んだ後は、宿の背後の道を奥へ向かいます。
そこには、あっと驚く仕掛けが待っていました。
ものの、数十メートル進んだところで、
道は断崖のふちに、そこから先はというと、
一気に大氷河までストーンと落ち込んでいます。
それは、もう斜面じゃなくて、真っ逆さまの
垂直です。
で、それからは、ぼうぼうと霧の中に霞む
向かいの山まで、氷河が谷いっぱいに埋めています。
そして、世にも面白い光景は、
氷河の流れ下る谷に、その脇には畑と人家と
そして、そこに働く村人が、全部
ひとつの風景に収まってしまうことです。
すご～い景色に圧倒されっぱなし。
もう、カメラを片手に、あっちに、こっちにと
ウロウロしっぱなしです。
生憎の天気でしたが、これが晴れていたら、
谷の奥に聳えるカラコルムの高峰群とともに、
さぞや、度肝を抜く景色だろうと
想像してしまいます。
いっとき日が差した天気も、すぐに厚い雲に覆われて、
山々もそれからは、二度と姿を現しませんでした。
写真は、氷河と同居するナガールの村です。
「さみんの雑記帳」2006年01月29日
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