パキスタン駆け足紀行3
チラスの村にたどり着いた時は、もうすでに真っ暗になっていました。 延々悪路を走りつづけて、お尻は痛いし、 車を降りるときには、ヨッコラショって 思わず口にしてしまうほど。もう勘弁して~。
今宵の宿は、インダス河を望む崖を掘りぬいた 横穴住居のようなホテルです。 これも、昼の酷暑をのりきる知恵で、 穴倉のような内部は、ひんやりしています。 難点は、暗いのと、夜中に部屋の中を走り回る ネズミちゃん達くらいですかね。
翌朝は、またまた例のごとく。 夜明けと同時に、チラスの村の探検。 チラスは、本当に何も無い、小さな村です。 まったく、不毛のカラカラに乾いた大地に立つこの小さな村。 では、何故名前が知られているかと言うと、 まず、ひとつは 内陸沙漠気候のモデルで、日中50度近い温度になるけど 夜間は0℃くらいまで下がると言った、寒暖差が激しい土地。 地理の時間で習うほどの場所だから。 ふたつめ、 KKHがあまりに長い行程なので、途中に イスタンブールから北部辺境の地へのほぼ中間地点のここに、 物資輸送のトラック・ドライバー用の宿泊施設が 集中してあること。 だから、村は、そんな簡易宿泊施設が、いっぱい建っています。 そのみっつめ、 チラスの村の外れ、インダス河の崖に沿って シルクロード時代(2000年から1500年前)に 岩に彫られた磨崖仏や梵字などが沢山あるからです。 当然、今朝は、そんなところまで行けませんから、 村の中をざっと歩き回るだけです。 でも、早朝の空気はキリっとして冷たく、吐く息も白く 見えるほどです。 トラックのたむろする村の中心までは、いくらもかかりません。 しらじら明けた中、もうトラックドライバーや その助手のような少年達が、甲斐甲斐しく 働きはじめています。 あちこちから、煮炊きの煙なども上がっています。 野宿組みも結構いるようで、おいしそうなカレーの 臭いが漂ってくるので、もう宿へ戻る時間になりました。 今日も、カレーの朝食の幕開けです。
写真は、チラスの村で 懸命に車を掃除していた少年です。
「さみんの雑記帳」2006年01月14日
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