パキスタン駆け足紀行４１
今日の泊まり場は、メルヘンヴィーゼ。
この優雅な名前は、ドイツ語での呼び名。
英語では、フェアリー・メドウー。
いずれにしても、まあ、なんともお伽の国のような
地名です。
ここは、麓のタトーの村人が夏の間だけ、
馬や羊、山羊などを放牧する山の中の別天地。
ナンガパルバットから雪崩落ちるラキオット氷河を
正面に広がる緑の台地です。
台地の上には、杉の木がまばらに茂り、
その間は、一面緑の草原で、
春の今から夏の間は、次々と花が咲乱れ、
それが天上の楽園のようなので、フェアリー・メドウ、
天使の草原と呼ばれるようになったようです。
ここに、数日間テントを張ってのキャンプ生活。
数日間は、ナンガのベースキャンプまで足を延ばしたり、
台地をあちこちに走る雪解け水の細い流れをたどって、
ぽっかりと開ける草原を気ままに歩き回る、
楽しいトレッキングの日々です。
そんな、ラキオット氷河とナンガパルバットを
見渡せる草原の一角に、我がテントを張り、
夕方までの間、もうこのうえない晴れ渡った
ナンガパルバットの展望を眺めます。
そして、日が傾きだした頃。
この草原の一角で、村人が集まってポロが始まりました。
５人ずつの２組に分かれ、馬を駆って白い木の玉を
相手ゴールへ入れる競技です。
正真正銘のほんもののポロを始めて見ました。
ドッドッドと地響きを上げて迫り来る馬群は
大迫力です。
昔から、このあたりでは、こうやって草原で
馬を駆っては、これをやってきたのでしょう。
これが大英帝国にわたり、優雅な貴族のスポーツになった
わけですが、やはり、これは
この青い空と、緑の草原が似合います。
誰ともなく始まったポロも、夕暮れには終わり、
静かなキャンプになりました。
夕食は、村の男が作った手料理です。
まず、きのこのスープ、その後に
じゃが芋のカレー、キャベツのカレーそして
お決まりのチャパテイにライス。
豪華ではないけれど、薄暗いランプの下で食べる
最高のご馳走でした。
今晩は、ぐっすり眠れそうです。
写真はメルヘンヴィーゼの草原に張られた、
我々のテント。
正面にナンガパルバット峰とラキオット氷河を
見渡す、最高の場所に張りました。
翌朝、朝焼けのナンガパルバットを
テントの中から、寝袋に入ったままで
拝めたのは、贅沢このうえないことでした。
「さみんの雑記帳」2006年02月11日
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