タイの世界遺産 その7
前回は、アユタヤへ到着したところまでお話しました。
翌朝は例のごとく、夜明けのまだ涼しい中、 チャオプラヤ川の岸辺を散策。 川面が、出たばかりの太陽を浴びてキラキラと 黄金色に反射するのを、じっくり楽しんでしまいました。 ところが、ある場所まで来た時、アレっと気付きました。 昨夜、夜店でマンゴスティンを買い込み、 意気揚揚とホテルへ戻る途中、石につまずき 、手にしたカメラばかりか、 買ったばっかりの果物も、放り出してしまうほどの 派手な転倒。 何せ、まだまだ街灯などごくごく少ない土地ですから、 真っ暗ななか、傷みをこらえて ホテルへ戻り、確かめてみれば、 手の平や、腕は擦りむけて、ヒリヒリ。 カメラはレンズがヘコミ、な、なんと、 楽しみにしていた果物は、グッチョリと潰れていました。 その、憎っき場所だったのです。 そう、もちろん、即、引き返しました。
さて、そんなことはともかく、 混みあわない内にと、ホテル内のレストランで朝食。 すっかりお馴染みの、甘酸っぱ辛いタイの麺料理をたいらげ、 いざ、出発。 まずは、アユタヤ遺跡のシンボル、ワット・マハタート寺院へ。 シンボルと言っても、自分の中でそう思っているだけ。 ここが何故シンボルかと言うと、 ここにある菩提樹の根もとに絡まる仏頭が、戦に負けて ビルマ軍に破壊され尽くした、アユタヤの都を象徴していると 思えるからだけなのですけどね。 ここには、それ以外にも沢山、それこそ、 全ての仏が首をはねられています。 そして、ここは、かなりの規模の寺院で、 広い境内からは、遠く寺のパゴダ(仏塔)が 崩れた塀ごしに望めたりして、なかなかの雰囲気です。 崩れた寺院跡には、無数の首をはねられた仏が鎮座して、 その今の姿が哀れなぶん、栄華の絶頂には、 金色に輝き、色とりどりの花を飾られ、 香の煙の立ち込める、荘厳な様が想像できます。
この炎熱のタイと言う国の中世から近世にかけて、 花開いた絢爛豪華な、王国の終焉の地です。 どっぷりと、そんなタイを味わえる場所の筆頭です。
写真は、ワット・マハタート寺院跡の 菩提樹に締め付けられる仏頭です。 なぜか、哀れで見事です。
「さみんの雑記帳」2005年12月27日
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